Adobe illustrator(イラレ)には「アピアランス」という機能があります。アピアランス機能の基本を理解すればデザインする際の装飾がぐっと楽になり、さまざまな場面で活用できるでしょう。本記事では、イラレのアピアランスとはどんな機能なのかを説明するとともに、基本的な使い方について詳しく解説していきます。
イラレのアピアランスとは、簡単に言えばテキストやオブジェクトの見た目を装飾する機能です。アピアランスには「線」「塗り」「効果」「不透明度」という4つの属性があり、これらを組み合わせてオブジェクトの色を変えたり、線幅を調整したり、様々なエフェクトをつけたりが可能です。
ここからは、文字を例としてアピアランス機能の使い方を解説します。
まず画面左端のツールパネルから「文字ツール」を選択し、文字を入力します。好きなフォントを選んで問題ありませんが、後でアピアランス機能を使って装飾を加えるため、太めのフォントを選んだほうがうまくいきやすいです。また、色や効果はこのあとアピアランス機能で加えるので、入力した文字の「塗り」と「線」はどちらも「なし」にしておきましょう。
オブジェクト自体の基本プロパティは上記のアピアランスから調整できますが、より詳細の効果を追加するには上部の「ウィンドウ」メニューから「アピアランス」を選択して、アピアランスパネルを出しましょう。
アピアランスパネルはレイヤーパネルと同じ構造で、上に重ねた順序で見た目が変わります。なお、パネル下部にある左端の「□」は線、中央の「■」は塗り、右端の「fx」は効果を追加するためのマークです。
塗りと線を「なし」にしたため入力した文字は見えませんが、入力した付近をクリックして文字を選択しましょう。その状態でアピアランスパネル下部にある「新規塗りを追加」マークをクリックすると、アピアランスパネルに「塗り」と一緒に「線」が追加されます。
デフォルトでは「塗り:黒」「線:なし」になっているので、自由に塗りの色や線の形状を変えていきましょう。まずは「塗り」をクリックしてスウォッチを開き、自由に色を設定してみてください。その後「線」をクリックして、色や太さ、角の形状などを変更していきます。
追加した「塗り」と「線」には、それぞれ効果をつけられます。効果を追加するには、アピアランスパネル内で「塗り」または「線」を選択し、パネル下部の「fx」マークをクリックしてください。すると効果が一覧で表示されるので、その中から希望の効果を選択して追加しましょう。
たとえば、オーソドックスな文字に影をつける効果であれば、「線」を選んだ状態で「fx」マークから「スタイライズ」、「ドロップシャドウ」へと進みます。ドロップシャドウパネルが出るので、色や影の付け方を変更し「OK」すれば、簡単に影つき文字の完成です。ただしこのままだと「塗り」の上に「線」がきているので、「塗り」をドラッグして「線」の上に移動することがおすすめです。
一度作成したアピアランスは、保存しておけば違うデザインにもボタン一つで適用できるようになります。ここでは、作成したアピアランスを保存する方法と、保存したアピアランスを再現する方法をお伝えしましょう。
「ウィンドウ」メニューから「グラフィックスタイル」を選択し、グラフィックスタイルパネルを表示させます。作成したアピアランスのテキストやオブジェクトを、グラフィックスタイルパネル内にドラッグ&ドロップしましょう。これで、グラフィックスタイルパネルにアピアランス属性が登録され、いつでも装飾を再現できるようになりました。
新しくテキストやオブジェクトを作成した後、グラフィックスタイルパネルからさきほど登録してあるアピアランスの中から再現させたいものを選択すれば、一瞬で装飾をつけることが可能です。
以上はイラレのアピアランス機能について解説しました。アピアランスはオブジェクト装飾の手間や時間を大幅に短縮してくれる便利機能なので、ぜひ基本をマスターしてどんどん応用してください。
また、作業効率を高める別の方法として、左手デバイス・TourBoxシリーズを使うのもおすすめです。TourBoxを使えば、イラレのツールやパネルをワンタッチで切り替えられるほか、装飾時に欠かせない色調整や線の太さを選択するなども指先一つで簡単に操作できます。TourBoxによく使う機能やショートカットを登録して、イラレを今以上に使いやすくしてみませんか。