RAW現像ソフトと言えば、米Adobe社のLightroomが有名です。ところがLightroomの料金体系が完全に月額サブスクリプションへ移行したことで、近年では新たにさまざまなソフトウェアが台頭しています。その1つが、デンマークに本社を置くフェーズワン社が開発した「Capture One」です。今回はCapture OneとLightroomを比較し、両者の違いやそれぞれの特徴について詳しく解説します。
Capture Oneは編集写真が中央に位置しており、右側にはカタログ内にある写真のサムネイル、左側にはタブ形式で調整項目が並んでいます。違う機能を使う際はタブから別のタブに移動が必要です。
Lightroom画面の中央は同じく写真で、左右では各種機能が配置されています。カタログ内写真のサムネイルは下で確認でき、そしてライブラリ、現像、マップなど機能モジュールの切り替えは右上で行います。
一般的な色調整やコントラスト、露出やシャドウなど基本的のパラメータ調整なら、Capture OneもLightroomも便利に完成できます。ただこのように高度な写真編集ツールは、始めたばかりの初心者には機能の使い道やメニューの位置などを覚える必要があるでしょう。ただし、ある程度の経験を積めば、この二つはどちらでも使いこなせることが可能な便利なツールです。
もちろん、人気画像編集ソフトPhotoshopとの連携機能については同社のLightroomに軍配が上がります。LightroomはPhotoshopで編集中の写真も容易に開けますし、スマートオブジェクトセクションから直接写真を開くことも可能です。さらに、Lightroomで編集した内容をPhotoshop側に反映させられるなど、両者は密接な関係にあります。Capture Oneには、これら一連の機能は使用できません。
Capture Oneの明るさとシャープネス機能は、写真の構造を壊すことなく写真を鮮明に仕上げられます。現にネット上では、CANONやFUJIFILMのカメラで撮影したRAWの現像は、Capture Oneの方がきれいに仕上がるというレビューを多く見かけます。Lightroomにも同様の機能はありますが、明るくし過ぎると不自然に見える写真に変化してしまいます。特に風景写真の編集で、この傾向は顕著です。
Capture Oneにはいくつかのプラグインや拡張機能が用意されていますが、写真のサイズ変更や整理ツールがほとんどです。一方で、長い間で大人気なLightroomにはかゆいところに手が届くほどのさまざまなプログラムが用意されており、深度の拡張機能も多数ありますので、写真の扱いで満足できないことはほぼ出てこないでしょう。
Capture Oneのプログラムは非常に安定しており、ほとんどクラッシュせずスピーディに利用できます。各種の写真調整機能も、非常に素早く動作します。一方のLightroomは、残念ながらパソコンのスペックによって、頻繁にクラッシュする可能性があります。また、機能追加のアップデートを適用するとプログラムの動作も重くなってしまう傾向が見られます。
両者の料金プランはもサブスクリプションのプランがあります。ただし、Capture Oneは買い切りのライセンスも選べるに対し、Lightroomには買い切りができません。
▼料金プラン
・Lightroom → 月額1,078円(1TBのクラウドサービス付き)
・Capture One → 月額3,743円/年間27,920円/ライセンス46,638円(買い切り)
なお、Lightroomは無料期間が「7日間」しかありませんが、Capture Oneは「30日間」のトライアル期間があるため、存分に試せます。
国内でCapture Oneは、まだまだマイナーな存在です。インターネット上の解説記事も比較的少なく、使い方を調べるのに苦労する時もあるでしょう。ただ、全くないわけではありませんので、自分に合った解説サイトを見つけて学びましょう。一方のLightroomは有名なソフトであるため、ネット上の解説記事も豊富です。操作や調整で分からなくなっても、検索すればほとんどの問題を解決できます。
今回はCapture OneをLightroomと比較し、両者の違いやそれぞれの特徴について解説しました。両者とも一長一短あって甲乙つけがたいソフトウェアですが、細かくカラーを制御してきれいに写真を仕上げたい、動作の安定性を求めたいならCapture Oneの方がいいかもしれません。そしてクラウドドライブを使いつつ、Adobe社の他のソフトとも連携したいならLightroomを選びましょう。
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