Photoshopのアクション機能は、画像編集作業を自動化し、大幅な時間短縮と効率化を実現する強力なツールです。繰り返し行う作業や複雑な編集プロセスを記録し、ワンクリックで再現。作業効率を飛躍的に向上させることができます。今回はPhotoshopアクションの基本的な作成手順から書き出し方法まで、わかりやすく解説します。
Photoshopアクションとは、複数の操作を記録し、ワンクリックで再生できる機能のことです。たとえば、画像のリサイズ・フィルター適用・テキストの追加など、一連の操作を記録し、別の画像に同じ処理を簡単に適用できます。
Photoshopアクションを使うと、以下のような処理を自動化できます。
1.画像編集の自動化
明るさ・コントラストの調整
フィルター適用(ぼかし、シャープなど)
トーンカーブ・レベル補正
2.サイズ変更や書き出しの一括処理
指定サイズにリサイズ
指定形式(JPEG、PNG など)で保存
Web用に最適化
3.レイヤー操作の自動化
レイヤーの追加・削除
テキストの挿入
特定の効果を適用(影、ぼかし など)
4.複数ファイルのバッチ処理
大量の画像に同じ効果を適用
一括でリサイズ、保存
Photoshopアクションを活用することで、以下のようなメリットがあります。
作業時間を大幅に短縮→1枚ずつ手作業で処理する必要がなく、ワンクリックで一括処理できる
ミスを減らせる→同じ処理を繰り返すので、作業ミスやムラが発生しにくい
大量の画像を素早く編集できる→たとえば100枚の写真を同じサイズにリサイズするのも、ボタン1つで完了
初心者でも簡単に使える→難しいスクリプトなしで自動化できるので、初心者でも手軽に作れる
ここからPhotoshopアクションの作成方法について説明します。
メニューバーから「ウィンドウ」→「アクション」を選択します。すると画面右側に「アクションパネル」が表示されますので、ここから新規アクションセットを作成します。
アクションパネルの 「+(新規アクション)」ボタンをクリックして、アクション名を入力(「画像のサイズ変更」など作業名を入れておくとわかりやすい)するだけで、新規セットを作成できます。
新規のアクションセットを作ったら、「記録」をクリックします。赤い●が点灯しますので、これ以降のPhotoshopの操作が記録されます。必要な操作がすべて完了したら、アクションパネルの下部にある停止ボタン「◾️」(記録ボタンの左)をクリックします。これでアクションの記録が完了しました。
Photoshopのアクションは、ファンクションキー(F1〜F12)に割り当てることもできます。「ワンキー」で実行できるようになり、とても便利です。アクションパネルで、登録したいアクションを選択します。さらに、選択したアクションをダブルクリックするか、アクションパネルの右上にあるメニューアイコンをクリックし、「アクションオプション」をクリックします。
アクションオプションダイアログボックス内の「ファンクションキー」の項目で、割り当てたいファンクションキー(F2~F12)を選択します。たとえばF2に設定すると、F2キーを押すだけでアクションが実行できるようになります。必要に応じてShiftキー / Ctrlキー(MacならCmdキー)と組み合わせることも可能です。
アクションを記録したら、後はワンクリックでそれを適用できます。ひとつひとつ、手作業で行っていた編集を一瞬で処理できるので、作業効率が格段にアップします。
まず、編集したい画像などを開きます。メニューバーから「ウィンドウ」>「アクション」を選択すると、アクションパネルが表示されます。アクションパネル内で、実行したいアクションが保存されているアクションセットを選択します。アクションパネルの下部にある再生ボタン「▶」をクリックすると、選択したアクションが自動的に実行されます。
アクションをファイルとして書き出すことも可能です。これで他のパソコンでも便利にアクションを導入、使用することができます。
アクションパネル内で、書き出したいアクションが保存されているアクションセットを選択します。アクションパネルの右上にあるメニューアイコンをクリックします。「アクションを保存」を選択します。ファイル名と任意の保存場所を指定し、「保存」をクリックします。
アクションセットは「.atn」というファイル形式で保存されます。書き出ししたアクションを使うときは、アクションパネルのメニューから「アクションを読み込み…」を選択し、保存しておいた「.atn」ファイルをクリックします。
大量の画像に同じアクションを適用する場合は、バッチ処理を使うと便利です。1枚ずつ開いて適用する手間を省き、フォルダ内のすべての画像に自動でアクションを適用できます。
「アクション」セクションで、適用したいアクションセットとアクションを選択します。次に、メニューバーから「ファイル」→「自動処理」→「バッチ」を選択します。「ソース」で処理したい画像が保存されているフォルダを選択します。
「保存先」セクションで、処理後の画像を保存するフォルダを選択します。最後に、「OK」をクリックして実行すると、全ての画像に同じアクションが適用されます。
Photoshopでのアクションの使い方について、解説しました。同じ作業を繰り返すとき、ひとつひとつ手作業でやるのは大変です。間違いのもとにもなります。そんなときはアクションに保存しておくと作業が楽になります。一度記録してしまえば、同じ作業を何度でも簡単にできるようになるアクション、ぜひ使ってみてください。
左手デバイスTourBoxシリーズのマクロ機能も似たような効果を実現できます。TourBoxのマクロではPhotoshop中の操作だけでなく、特定のファイル、URL、アプリを開く、テキスト入力、マウスクリックなどの操作も設定可能で、より幅広い工程を自動的に実行できます。