Photoshopの「背景を生成」とは?新機能で広がる新しい画像編集の世界

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    「写真の背景、もう少し広げたい…」  
    「理想の景色に差し替えたいけど、撮り直しはできない…」
    そんなときに活躍するのが、Photoshopの「背景を生成」機能です。この機能は、Adobeの生成AI「Firefly」を活用して、背景を自動的に描き出してくれる革新的なツールです。 プロンプト(指示文)を入力するだけで、画像の背景を自然に補完・拡張・差し替えすることができます。今回は、「背景を生成」機能の基本や使い方や活用方法など、Photoshop初心者にもわかりやすく解説します。

    Photoshopの「背景を生成」とは?

    Photoshopの「背景を生成」機能について、概要を説明します。

    背景生成機能とは?何ができるの?

    Photoshopの「背景を生成」機能は、AdobeのAI技術「Firefly(ファイアフライ)」を活用した画像生成ツールです。これまでPhotoshopといえば、切り抜き、修正、合成といった作業が主流でしたが、この機能によって、ゼロから背景を描くことが可能になりました。この機能の用途は大きく3つあります。
    1.被写体を残して、背景を自然に置き換える(削除+生成)
    2.キャンバスサイズを広げて、足りない背景を自動で拡張
    3.プロンプト(指示文)を入力して、理想の背景をAIに描いてもらう
    さらに、Photoshop上で完結できるので、他の画像素材を探す手間も不要です。デザイン作業や写真加工が、よりスピーディに、直感的に進められるようになります!

    「背景を生成」機能にできること

    Photoshopの「背景を生成」機能を使うと、写真を拡張したり、別のシーンに変えたりと、さまざまなことが一瞬でできるようになります。
    ・人物だけを残して、背景をまったく別の風景に置き換える
    ・画像のキャンバスサイズを広げて、足りない背景を補完→ 横長バナーやSNS用サムネイルを作るときにぴったり
    この機能のすごいところは、違和感がないことです。AIが元画像の色や光、被写体の位置を読み取ってくれるので、自然な仕上がりの画像が出来上がります。

    Photoshopで背景を生成する方法

    ステップ1:被写体を選択する

    では実際に、背景を作ってみましょう。今回はこちらの写真を使って作業をしてみます。

    画像

    背景を生成する前に、まずやっておきたいのが「被写体の選択」です。これをしっかり行っておくことで、AIがどこを「残す部分」か明確に判断できるようになります。メニューの「選択範囲」→「被写体を選択」をクリックすると、Photoshopが自動で人物やメインの被写体を認識してくれます。足りない部分がある場合は、「選択とマスク」で微調整しましょう。

    被写体選択

    ステップ2:「生成塗りつぶし」を使う

    選択範囲ができたら、いよいよPhotoshopのAI機能「生成塗りつぶし」を使って、背景を作り変えていきます。背景を変えたいので、選択範囲を反転して被写体ではなく背景を選びます。背景にカーソルを合わせ、右クリックし、「生成塗りつぶし」を選択します。(または、メニューから「編集」→「生成塗りつぶし」でもOKです。)

    右クリックメニュー

    画面右側に生成用のサイドパネルが表示されますので、プロンプト(テキスト指示)を入力しましょう。

    【プロンプト例】
    「sunset beach(夕日のビーチ)」
    「mountain landscape, fog(霧のかかった山の風景)」

    なお、ここに内容を入力せず、空白で「生成」を押すと、自動で背景に合いそうな案が生成されます。日本語でも指示できますが、英語の方が安定した結果が出やすい傾向があります。シンプルな単語でOKなので、臆せず入力してみましょう。プロンプトを入力して「生成」を押すと、AIが数秒で画像を生成してくれます。

    生成

    ステップ3:バリエーションから最適な背景を選ぶ

    画像上で生成されたもの以外、Photoshopは他にも自動で複数の候補を提示してくれるので、そこから変更することも可能です。生成後に表示される「生成レイヤー」パネルをチェックしてみます。

    候補

    複数のパターン生成結果が提示されますので、もし変更したければ、クリックするだけで即反映されます。もし気に入ったものがなければ、 「生成しなおす」ボタンで何度でもトライできます。しかも、同じプロンプトでも毎回違う画像が生成されるので、「ちょっと雰囲気を変えたい」というときにも最適です。生成された背景に一部違和感があったり、細かい部分を変えたいときは、部分的に再選択して、再生成もOK。気に入ったバリエーションを複製して、レイヤーで比較するのもおすすめです。

    「背景を生成」機能の注意点と使いこなしのコツ

    この機能を上手に使いこなすためには、いくつかコツがあります。

    プロンプト入力の精度に注意

    生成塗りつぶしは、プロンプト(テキスト指示)次第で結果が大きく変わるのが特徴です。シンプルな指示なら日本語でもOKですが、複雑な背景や細かい指定をしたいときは英語の方が安定感あります。たとえば、
    ×:森の中の幻想的な風景 → 結果がぶれることも
    〇:“a fantasy forest with soft lighting and mist” → より安定した生成になる
    プロンプトのコツは、短く、具体的に記述することです。慣れてきたら、カラーパレットや構図も含めた指示に挑戦してみるとよいでしょう。

    生成結果は100%完璧ではない

    ときどき思ったような仕上がりにならないこともあります。
    ・手や足などの、体の一部が不自然に生成される
    ・影や光の方向がズレてしまう
    ・違和感のある背景オブジェクトが混ざる
    など。そのようなときは、

    ・「生成しなおす」で別バリエーションを試す
    ・部分的に選択して、もう一度生成
    ・最後にブラシやスタンプツールで微調整
    などの方法を試してみてください。

    商用利用の前にライセンス確認を

    Photoshopの生成塗りつぶしは、Adobe Fireflyをベースにした機能です。Fireflyは「商用利用OK」とされてはいますが、利用条件は時期やプランによって変わる可能性があるため、念のためAdobe公式の利用ガイドを確認しておくと安心です。特に企業案件や有料デザインで使う際は、著作権まわりに注意を払いましょう。

    まとめ

    Photoshopの「背景を生成」機能は、これまでの画像編集の常識を変える、まったく新しいツールです。ここに、こんな背景があったらいいのにという願いを、クリックとテキスト入力だけで叶えてくれます。しかも、画像の質感や光の当たり方に合わせて自然に合成してくれるので、仕上がりも本格的。ぜひいろいろと、生成してみてください。

    生成前の被写体選択などの操作は左手デバイスTourBoxを使えば、より効率的に完成することが可能です。それから同じプロンプトで複数の画像に背景生成したい時も、プロンプトの内容をTourBoxのマクロに登録して、使用する時はワンクリックで入力できます。その他に様々なPhotoshopツールや機能もTourBoxによって効率的に操作可能です。Photoshopでの作業を効率化したいならぜひTourBoxを試してみてください。

    左手デバイスTourBox
    クリエイター向け

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