皆さんはクリスタの「アンチエイリアス」機能を使ったことがありますか?本記事は「アンチエイリアス」とは何か、その具体的な機能からその使い方まで解説していきたいと思います。
当たり前のことなのですが、デジタルイラストを描くときにはピクセル単位よりも細かく線を引くことができません。そのため、描いたデジタルイラストを拡大してみるとジャギーと呼ばれる線のギザギザが発生します。このギザギザを目立たなくする機能がアンチエイリアスなのです。
作品のギザギザが気になる方はこのアンチエイリアス機能を使えば、線のギザギザが目立ちにくくなり、より理想通りの仕上がりになるでしょう。アンチエイリアスはまさにデジタルイラストだからこそ生まれた機能と言えます。
では、クリスタでのアンチエイリアスの使い方について見ていきましょう。クリスタでアンチエイリアスを使う場合、まずはペンツールを選択した状態でツールプロパティパレットを見てください。「ペン」「ブラシサイズ」「不透明度」といった項目の下に「アンチエイリアス」という項目があるかと思います。
アンチエイリアスの項目にはギザギザとしたドット絵風の丸、その横に滑らかな丸、ゆで卵の断面のような2層になっている丸、4層になっている丸といった具合に4つのマークが並んでいます。一番左側にあるギザギザとしたドット絵風の丸はアンチエイリアスなしの状態、一番右側にある4層になっている丸はアンチエイリアスがもっとも強い状態になります。
実際にアンチエイリアスを使ってみて確かめるのが手っ取り早いのですが、アンチエイリアスがないと線はギザギザに、アンチエイリアスが強いと線は滑らかに見えるようになります。アンチエイリアスはないほうがいい作品もあれば、アンチエイリアスは強めのほうがいい作品もありますので、自分の目で確かめながら調整をしていきましょう。
クリスタのアンチエイリアスはギザギザの線を滑らかに見せてくれる機能なのですが、だからといってすべての作品にアンチエイリアスを使えばいいというものではありません。先でも触れましたように、アンチエイリアスがなくてもいい作品もあれば、アンチエイリアス強めのほうがいい作品もあります。
例えば、解像度の低いキャンバスでアンチエイリアスをかけてしまうと作品そのものがぼやけてしまいます。逆に解像度の高いキャンバスでアンチエイリアスをかければ作品はそこまでぼやけることなく、滑らかに見やすくなるでしょう。
また、アンチエイリアスでは境界線のピクセルにおいて中間色を使い、色を変化させることで境界線をぼかしてわかりにくくしていきます。中間色を使うという性質上、基本的にモノクロではアンチエイリアスを有効活用することはできません。複数の色を使っている状態でこそ、アンチエイリアスの効果をより実感できるのです。
そして、これはアンチエイリアスに限ったことではないのですが、何かの機能を使うときにメリットしかないということはありません。何かしらのメリットがあれば、その分、どこかにデメリットも潜んでいるものです。もちろん、ケースバイケースなので、人によってはほとんどメリットしかないということも出てくるかもしれませんが、アンチエイリアスを含めて何かの機能を使うときにはバランスというものを常に意識していきたいところです。
今回はクリスタのアンチエイリアスについてお話ししました。アンチエイリアスはギザギザに見えてしまう線を滑らかに見せてくれるという、デジタルイラストだからこそ生まれた機能でもあります。すべての作品にアンチエイリアスを使えばいいというものではありませんが、バランスを考えながら、メリットを最大限に引き出せるように活用していきましょう。
左手デバイスTourBoxをクリスタ作業に取り入れば、アンチエイリアスレベルの調整やブラシ切り替え、サイズ変更、キャンバス回転などの操作をより直感かつ正確的には完成できます。時間を煩雑なキーボード操作に費やすではなく、作品の創作だけに集中できます。